前回は、不整脈の症状や種類についてお伝えしました。
今回は、実際にどのような検査を行い、どのような治療があるのかについてお話しします。
検査の流れ
まずは心電図

心電図は、数分で終わる負担の少ない検査です。
ただし、不整脈は「その瞬間」に心臓の電気の状態を記録できないと分からないものも多く、検査室での短い記録だけでは発作的に起こるタイプの不整脈を捉えきれないことがあります。
けれど、現在の波形で、すでに異常な波形がないか確認するためにまずは必ず行う検査となります。
ホルター心電図(24時間心電図)

小型の記録装置を体に貼り付け、24時間の心電図を記録する検査です。
日常生活を送りながら記録するため、受診中では分からない、普段の生活の中で起こる動悸の正体を捉えることができます。
当院のホルター心電図は、普段通りにシャワーを浴びていただいても大丈夫です。
検査は、自覚症状のある時の波形の確認が大切になるため、稀に装着中は安静に過ごされる方がおられますが、それでは検査の意義が低くなり、普段通り、またはむしろ自覚症状が出ている時に記録されている方が有意義な検査と言えます。
症状が数日〜数週間に1回程度と、頻度が少ない場合
ホルター心電図でも捉えられないような、たまにしか起こらない動悸については、心電図を長期間記録できる機器(イベントレコーダーなど)を用いることもあります。
症状が出た時にご自身で記録するタイプの機器で、より長い期間、発作を捉えるチャンスを広げられます。
血液検査

貧血、甲状腺機能、電解質など、不整脈、頻脈、徐脈の原因となっている病気が隠れていないかチェックするため行うことが多いです。
治療の流れ
不整脈の種類や重症度によって、治療方針は大きく異なります。
経過観察
期外収縮などの命に関わらないタイプで、たまにしか現れないもの、自覚症状が比較的軽い場合は、治療をせず経過観察とすることがあります。
ただし、定期的な心電図やホルター心電図でのチェックはした方が良いです。
薬物治療

心拍数を抑える、リズムを整えるなどの薬(β-blocker、抗不整脈薬)を使用します。
心房細動の場合は、これらに加えて脳梗塞など血栓の出現を予防するための抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を使用することが多くあります。
昔はワーファリンという薬を用いていましたが、この薬では食べてはいけない物があったり、人によって量が異なるため、定期的な血液検査が必要でした。
けれど、現在では腎臓の機能が問題ない場合は、一般的に用量調節の不要な薬が用いられます。
心房細動そのものの治療と、血栓による脳梗塞などの塞栓症の予防は、別々に考える必要があります。
カテーテル治療(カテーテルアブレーション)

心房細動やその他の頻拍性不整脈など、異常な電気信号が発生している部位を、カテーテルを使って焼灼、またはその他の方法で処置し、根本的な治療を目指す治療法です。
薬物治療で効果が不十分な場合や、根治を希望される場合に検討されます。
その場合は、専門施設への紹介となります。
ペースメーカー

房室ブロックや洞不全症候群など、脈が遅くなるタイプの不整脈で、症状を伴う場合や著しい徐脈の時に検討される治療です。
胸に小さな機器を植え込み、脈が一定以下にならないよう補助します。
こちらも専門施設と連携して進めます。
当院での対応
当院では、問診・検査室での心電図に加え、必要に応じてホルター心電図、血液検査での精査を行って治療方針を決めます。
カテーテル治療やペースメーカーが必要と判断した場合は、専門施設と連携しながら、治療後のフォローも含めて継続的に診させていただきます。
最後に:自分の脈を触ってみましょう

不整脈は、機器がなくても、ご自身の指で気づけることがあります。
手首の親指側(橈骨動脈)に、反対の手の人差し指・中指・薬指を軽く当て、1分間の脈拍数と、リズムの乱れがないかを確認してみてください。
- 脈が規則正しく打っているか
- 急に速くなったり遅くなったりしないか
- 途中で一瞬飛ぶような間隔がないか
健診や診察のついでに確認するだけでなく、動悸を感じた「その時」に触れてみると、実際に何が起きているかの手がかりになります。
可能であれば、その時の脈拍数や感じ方をメモしておくと、診察の際の参考になります。
「なんとなく不安」で終わらせず、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。